2017年05月15日号
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「東京1955-1970 新しい前衛」展

Tokyo 1955-1970: A New Avant-Garde

2012年11月18日〜2013年2月25日、ニューヨーク近代美術館で開催された展覧会。戦争による荒廃から国際都市へと急速な変貌を遂げた1955年から1970年の東京に注目し、多様なメディアで展開された前衛的な試みを紹介した。キュレーターは当時ニューヨーク近代美術館絵画・彫刻部門アソシエイト・キュレーターであったドリュン・チョン。「メタボリズム」「50年代半ばの人物表現」「具体」「実験工房」「草月アートセンターとフルクサス」「読売アンデパンダンと前衛彫刻」「ハイレッドセンター」「模型千円札事件」「60年代後期の彫刻」「60年代後期の人間像とポップ」「グラフィックの推進力」「写真」といったコーナーで構成される。出品作品は絵画、彫刻、グラフィックデザイン、建築、ビデオなど多岐にわたり、日本国内から貸し出された作品とニューヨーク近代美術館が所蔵する関連作品を合わせた約300点が展示された。アメリカではこれまでも日本の戦後美術を紹介する展覧会が開催されてきたが、本展は1994年にグッゲンハイム美術館で開催された「戦後日本の前衛美術」“Japanese Art after 1945: Scream against the Sky”展以来の、日本の戦後美術を包括的に取り上げた展覧会となった。最新の研究動向を踏まえた内容はアメリカで好意的に受け取られたが、展示会場の狭さや、出品作家の取捨選択、会場での作品の政治的背景の説明不足などが指摘されている。くしくも同時期にグッゲンハイム美術館では「具体:素晴らしい遊び場所」展“Gutai: Splendid Playground”が、ロスアンジェルスのブラム&ポー画廊ではもの派の展覧会「太陽へのレクイエム」“Requiem for the Sun: The Art of Mono-ha”が開催され、ニューヨーク近代美術館の東京展は北米を中心とする日本の前衛美術への関心の高まりを象徴する展覧会となった。キュレーターのドリュン・チョンは日本の60年代美術を専門とし、2008年にはミネアポリスのウォーカー・アートセンター在籍時にアメリカ初の工藤哲巳展“Tetsumi Kudo: Garden of Metamorphosis”を開催している。2013年、チョンは香港に建設予定の美術館「M+」のチーフ・キュレーターに就任した。

著者: 遠藤亮平

参考文献

  • 『Tokyo 1955-1970: A New Avant-Garde』, , , ニューヨーク近代美術館, 2012
  • 『美術手帖』2013年4月号, 「MoMA『東京1955‐1970:新しい前衛』展」, 藤森愛美, 美術出版社, 2013
  • 『現代の眼』599号, 「戦後日本美術の新たな切り口を探る ニューヨークと東京、二つの近代美術館の展覧会を通して見えてくるもの」, 鈴木勝雄, 東京国立近代美術館, 2013
  • 『新美術新聞』1月1・11日合併号, 「現在通信FromNEWYORK めでたさも中くらいなり東京展」, 富井玲子, 美術年鑑社, 2013

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