2017年05月15日号
次回6月1日更新予定

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グローバリゼーション

Globalization

世界中の多様な文化や価値観が急速に普遍化・均質化・画一化していくプロセスのこと。グローバリゼーションを最も強固に支えるのは経済的原理であり、グローバル企業と呼ばれる(主に西洋の)巨大資本が世界各国に進出する過程で、ある特定の文化や価値観は政治的対立を介さずにいつの間にか各文化圏に浸透していくことになる。こうしたグローバリゼーションの運動は20世紀における後期資本主義の運動と不可分のものであり、それは一方で均質化や画一化を推進しつつも、そこに回収しきれない文化間の差異からさらなる利潤を生み出していく。そのような意味で、グローバリゼーション(世界普遍化)に対抗するためのローカライゼーション(地域限定化)という戦略は、逆説的にしばしば共犯関係に陥ることすらある。そのことは、急速な勢いでグローバル化する昨今の美術市場にしばしば見られる同様の地域主義とも無縁ではない。均質化や普遍化を指向する市場に、そこから逸脱する作品や地域色の強い作品を投げ入れることは、むしろ積極的な差異=利潤の産出へと結びついてしまう。近年では、普遍化に順応しつつ地域の固有性を尊重する「グローカル化(glocalization)」という造語も生まれているが、いずれにしてもこの問題は、グローバル対ローカルという二元的な思考に陥ることのない、文化的・政治的・経済的な軋轢に対する繊細な注意をたえず必要とする。

著者: 星野太

参考文献

  • 『グローバリゼーション 人間への影響』, ジグムント・バウマン(澤田眞治、中井愛子訳), 法政大学出版局, 2010
  • 『グローバリゼーションと暴力 マイノリティーの恐怖』, アルジュン・アパドゥライ(藤倉達郎訳), 世界思想社, 2010

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