2017年10月15日号
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サンプリング

Sampling

音楽用語で、ある録音された楽曲や音源の一部を切り出し、それを新たな楽曲の一部として用いる手法を指す。また録音物に限らず、環境音をサンプラーと呼ばれる機器によって録音、加工する行為もこれに含まれる。サンプリングは、1980年代以降ヒップホップやクラブ・ミュージックなどにおいて多用されるようになる。美術においてもそれらと並行、ないしそれらから影響を受けるかたちで、サンプリング的な手法がしばしば用いられるようになった。その代表的な作家として、過去の映画などのシーンをみずから再演したシンディ・シャーマン、ピカソの《アヴィニョンの娘たち》をはじめとする美術史上の名作をほぼ完全に模倣したマイク・ビドロなどを挙げることができる。彼らの作品は、しばしば一括して「シミュレーショニズム」と呼ばれる。「シミュレーショニズム」の作家たちの営為は広い意味での「引用」に含めることができるが、その作品の特徴として、「引用」に際するより複雑な操作や、その過度に露悪的な傾向などを挙げることができる。椹木野衣の『シミュレーショニズム』(1991)は、以上の動向をカットアップ、サンプリング、リミックスという3つの音楽的手法を軸として論じた重要な著作である。

著者: 星野太

参考文献

  • 『増補シミュレーショニズム』, 椹木野衣, 筑摩書房, 2001

参考資料

  • The Complete Untitled Film Stills, Cindy Sherman, MoMA, 写真集, 2003

参考作品

  • ジェノサイドの筆跡, 梅沢和木, 2009
  • Untitled Film Stills, 1977-1980, シンディ・シャーマン, 1977-1980
  • これはピカソではない(アヴィニョンの娘たち, 1907), マイク・ビドロ, 1984

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