2017年08月01日号
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メディア・アート

Media Art

一般的にはあるメディアそのものが作品の制作原理、もしくは作品の素材として用いられている表現を指す。一方で、明確な定義が共有されにくいために数多くの問題を生み出している用語である。さかのぼれば、ヴァルター・ベンヤミンが論じた「複製技術時代の芸術」である初期の写真や映画にメディア・アートの起源を見出す考えもあり、また1960年代にはさまざまな表現手段を融合させようとする新しい実験芸術を指す用語でもあった。この考えにもとづく代表的なプロジェクトに、ビリー・クルーヴァーやロバート・ラウシェンバーグらが参加した芸術運動組織E.A.T.によって開催された「九つの夕べ──演劇とエンジニアリング」(1966)がある。70年代以降はパーソナル・コンピュータやヴァーチュアル・リアリティ、インターネットなどのデジタル・メディア環境の開発に伴い、デジタル・データによる表現全般を指す用語として、コンピュータ・アート、ソフトウェア・アート、インタラクティヴ・アート、ニュー・メディア等の用語と並列に用いられることもある。日本では、2001年に制定された「文化芸術振興基本法」において「映画、漫画、アニメーション及びコンピュータその他の電子機器等を利用した芸術」が「メディア芸術」として定義されている。そして、文化庁の主催するメディア芸術祭では「アート(=メディア・アート)」が「エンターテイメント」「アニメーション」「マンガ」という他の分野と並置されたメディア芸術の一分野として扱われている。このように、21世紀に入りその定義はさらなる混迷の状況を呈している。

著者: 城一裕

参考文献

  • 『複製技術時代の芸術』, ヴァルター・ベンヤミン(佐々木基一編集解説、高木久雄ほか訳), 晶文社, 1999
  • 『E.A.T. 芸術と技術の実験』, NTTインターコミュニケーション・センター編, NTT出版, 2003
  • 「『メディア芸術』の地域性と普遍性 “クールジャパン”を越えて」(世界メディア芸術コンベンション報告書), 文化庁, 2011

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