2017年08月01日号
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ロリータ・ファッション

Lolita Fashion

日本のサブカルチャー的なファッションのなかでも代表的なスタイルのひとつで、少女的なスタイルのことを言う。「ロリータ・ファッション」なる名称の由来がウラジーミル・ナボコフの『ロリータ』(1955)にあることは言うまでもないが、両者に密接な関係があるというわけではない。ロリータ・ファッションの基本的な特徴としては、パニエによって裾が広がったジャンパー・スカート、丸襟のシャツ、リボンやフリル、あるいはレースによる装飾などがしばしば挙げられ、ナボコフの作品とは何ら関係がないことがわかる。日本のファッション史を振り返ってみれば、ロリータ・ファッションと目されるスタイルの草分け的存在が、大川ひとみのMILKと金子功のピンクハウスである。MILKは1970年に始まったブランドで、セーラー服をはじめとしたあどけなさの残る少女のようなスタイルが特徴である。一方のピンクハウスは、フリルの多用された花柄のワンピースなどが主なアイテムで、両ブランドとも、現在のロリータ・ファッションと直接重なるわけではない。だが、フランスの女子高生(リセエンヌ)スタイルを売りにした雑誌『Olive』にて両者がしばしば取り上げられたことからもわかるように、そこで目標とされているのは、日本人によって理想化された西洋の少女であった。そこから出発し、最大公約数的に「ロリータらしい」要素が選択され、あるいは淘汰され、今のスタイルに結び付いたと言えるだろう。そう考えるのならば、「ロリータ的なるもの」はある意味で実体のない概念であるとも言える。そのため、ゴスロリ(ゴシック・アンド・ロリータ)のように派生的なスタイルも数多く現われることとなった。

著者: 蘆田裕史

参考文献

  • 『セカイと私とロリータファッション』, 松浦桃, 青弓社, 2007

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