2017年09月15日号
次回10月2日更新予定

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ヴィデオ

Video

アナログ/デジタル信号によって映像を撮影・記録・再生する電子的映像メディア。民生用の機器が初めて登場したのは、ソニーによる1965年のヴィデオレコーダーCV-2000と、ヴィデオカメラVCK-2000の市販化に遡る。当初は撮影ユニットとオープンリール・テープによる録画ユニットに分かれており、「ポータパック」と呼ばれた。ナム・ジュン・パイクは、この市販化されたばかりのヴィデオ機器を使用して『ローマ法王パウロ六世のニューヨーク訪問』(1965)を制作した。ヴィデオの登場以前よりTVモニターを電子的に変調させるような、広い意味でのヴィデオ・アートは先行して存在していたが、録画の機能を使用したものは、ヴィデオ機器の市販化によって初めて成立した。その後、多くの異なる領域のアーティストによって、ヴィデオの再帰的な特性が、パフォーマンスやインスタレーションのなかで展開されたり、オルタナティヴな映像メディアとして社会的なフィールドで活用されるようになる。90年代後半になるとデジタル・ヴィデオカメラ(ソニーDCR-VX1000など)とコンピュータの普及により、ヴィデオはデジタルへと発展してゆく。
アナログ・ヴィデオ信号には国によって異なり、NTSC、PAL、SECAMなどの種類が存在する。また、テープメディアの規格も業務用/民生用を合わせるとその種類は多岐に及ぶ。アナログ・ヴィデオでの映像編集は、2台のヴィデオデッキを使用して、タイムコードによって制御されたダビング作業によって行なわれ、リニア編集と呼ばれる。
一方、デジタル・ヴィデオは画面の精細さによって、SD(Standard Definition)とHD(High Definition)という二つの名称で区別される。パソコン上でムーヴィーファイルが取り扱われるようになって、ファイル・フォーマットやコーデック(データを圧縮するハードウェアやソフトウェア)も多数存在する。デジタル・ヴィデオの映像編集は、パソコンに取り込まれたムーヴィーファイルやサウンドファイルをアプリケーションによって編集し、完成品を新しいムーヴィーファイルとして書き出すノンリニア編集によって行われる。また、さらに高精細なデジタル・ヴィデオの4K2K(この名称は、フレームサイズがおよそ4,000×2,000ピクセル以上であることによる)が存在しており、このような35ミリフィルムに匹敵するデジタル・ヴィデオの高精細化は、すべての映画制作プロセスをフィルムなしで完了させることを可能としている。

著者: 阪本裕文

参考文献

  • 『ヴィデオ 再帰的メディアの美学』, イヴォンヌ・シュピールマン(柳橋大輔、遠藤浩介訳), 三元社, 2011

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