2019年03月15日号
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ヴィデオ・アクティヴィズム

Video Activism

ハンディカメラなどのヴィデオを使用して、資本やマスメディアによって一方的に与えられる情報・メディア環境に抵抗して、市民的なメディアを獲得しようとする社会的な傾向が、1970年代から世界的に活発化した。これをヴィデオ・アクティヴィズムと呼ぶ。その背景には、電子映像の技術の進歩により、ヴィデオ機器が一般の個人が使えるように簡便かつ安価になったということがある。ヴィデオ・アクティヴィズムの活動は、ドキュメンタリー的な取材や意識調査、コミュニティ・ベースの放送局や情報ネットワークを創設・維持する活動など、多岐にわたっている。例えばアメリカでは、70年代にマイケル・シャンバーグらが展開した「ゲリラ・テレビジョン」などの影響を受け、80年代よりパブリック・アクセス・チャンネルを利用した運動として、「ペーパータイガーTV」や「ディープ・ディッシュTV」などがある。また日本では70年代から中谷芙二子、小林はくどう、かわなかのぶひろ、山口勝弘、松本俊夫らによる「ビデオひろば」、また中島興を中心とした「ビデオアース」などの活動があった。またヴィデオを使って市民による警察や政治家など権力の「逆監視」を行ない、その不正を告発する「ヴィデオ自警団(video vigilance)」という動きもある。これらの運動は、メディアの発達とともに、90年代にはインターネットやデジタル通信技術を包括的に利用して、体制的な情報支配に抵抗する運動、メディア・アクティヴィズムへとつながっていく。

著者: 河合政之

参考文献

  • 『ゲリラ・テレビジョン』, マイケル・シャンバーグ、レインダンス・コーポレーション(中谷芙二子訳), 美術出版社, 1974
  • 『情報社会を知るクリティカルワーズ』, 田畑暁生編, フィルムアート社, 2004

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