2017年11月15日号
次回12月1日更新予定

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国立デザイン美術館をつくる会

Society for a Design Museum Japan

ファッションデザイナーの三宅一生と美術史家の青柳正規が発起人となって2012年9月に設立された、「国立デザイン美術館」の創設を目指す運動体。近年、日本でも「21_21 DESIGN SIGHT」や「de sign de >」のようなデザインに特化したギャラリー(収蔵品を持たない展示施設の意味でこの言葉を用いている)も現われているが、それでもなお「デザイン美術館」が必要だとされる理由は、「設立趣意書」にも明記されているアーカイヴの問題が大きいであろう。たとえばアメリカであればMoMAのデザイン+建築部門やクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館など、デザインの作品を収集している美術館があるが、日本の国公立美術館でデザイン専門の美術館、あるいはデザインを収集の主軸としている機関は皆無に等しい。美術館がないということは、作品が保存されていないということであり、後世にモノとして残すことが不可能になる。「国立」の「美術館」を目指すのは、この問題を解決するためだと考えられる。もうひとつ特筆すべき点は発起人の一人がファッション・デザイナーであることだろう。三宅は1960年に日本で開催された「世界デザイン会議」に対して「衣服デザイン」が含まれていないことに異議を唱えていた。国内外問わず現在でもファッションはデザインの分野だと認められないことがしばしばあるが、東京での世界デザイン会議から50年ほど経ったいま、当時学生だった三宅によってジャンルの再定義がなされつつあることに、歴史の変化を見ることもできるだろう。

著者: 蘆田裕史

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