2017年09月15日号
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国際展

International Exhibitions

数年に一度の周期で美術館やその他の公共空間、文化遺産などを会場に催される現代美術の展覧会のひとつ。隔年で開催されるビエンナーレ、3年に一度開催されるトリエンナーレなど、周期はさまざまだが、国内外のアーティストを招き、一定期間アートによって祝祭的な空間を演出するという点では一致している。そのため、大半の国際展は観光産業と結びつき、地域振興が期待されることも多く、同時にアートフェアが催されることも多い。代表的な国際展は、1895年以来断続的に開催されているヴェネツィア・ビエンナーレである。国際展はおおむねヴェネツィア式とドクメンタ式に大別される。前者はオリンピックや万博のような国別参加方式で、それぞれの国を代表して参加したアーティストに授賞する制度があり、「サンパウロ・ビエンナーレ」や「バングラデシュ・ビエンナーレ」が採用していたが、近年は見直される傾向にある。後者はドイツのカッセルで5年ごとに催される国際展だが、ひとりのディレクターに、国家の枠組みとは無関係に参加アーティストを選定させる。「光州ビエンナーレ」や「シンガポール・ビエンナーレ」、「台北ビエンナーレ」など、90年代以後に急増したアジア諸国における国際展は、このドクメンタ方式を採用していることが多い。日本では、かつて「東京ビエンナーレ」(1952-90)があり、なかでも美術評論家の中原佑介がコミッショナーを務めた第10回「人間と物質」展(1970)は、国内から河口龍夫、高松次郎、田中信太郎、野村仁、松沢宥らを、国外からカール・アンドレ、クリスト、ソル・ルウィット、ダニエル・ビュレン、リチャード・セラらを集めた、日本における国際展の嚆矢として評価されているが、その後継続しなかった。国際展が再興するのは2000年前後で、「福岡アジア美術トリエンナーレ」(1999-)をはじめ、「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ」(2000-)、「横浜トリエンナーレ」(2001-)などが続いた。さらに近年では「神戸ビエンナーレ」(2007-)、「あいちトリエンナーレ」(2010-)、「瀬戸内国際芸術祭」(2010-)などがはじまり、現在では大都市から小都市にいたるまで、全国各地で国際展が催されている。

著者: 福住廉

参考文献

  • 『ビエンナーレの現在 美術をめぐるコミュニティの可能性』, 暮沢剛巳、難波祐子, 青弓社, 2008
  • 『横浜会議2004「なぜ国際展か?」』, 建畠晢監修, BankART1929, 2005
  • 『中原佑介美術批評選集第5巻「人間と物質」展の射程』, 中原佑介, 現代企画室+BankART1929, 2011

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