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2010年12月01日号のバックナンバー

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フォーカス

盒の中のパフォーマンス

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[2010年12月01日号(多田麻美)]

 冬の北京はパフォーマンスがよく似合う。凍りつくような空気と、「身体で勝負」がメインの、時に肉体的限界にチャレンジするような表現との組み合わせが、観る者の五官に強いインパクトを残すからだろう。その意味で、野ざらしの寒さも、石炭ストーブの煙たさも作品の一部だとさえ言える。だが今年の11月の北京では幸い、暖かい室内でじっくりとパフォーマンスを鑑賞することができた。

キュレーターズノート

高木正勝ピアノソロコンサートツアー「Ymene(イネメ)」 名古屋公演/トランスフォーメーション展

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[2010年12月01日号(能勢陽子)]

 数年前から、高木正勝の作品にこれまでとは異なる流れが入り込んでいるような印象を受けている。それまでの鮮やかな色彩溢れる子どもたちや少女の、ある種多幸症的といえるようなまぶしくきらめくイメージのなかに、その不協和音のように禍々しいほどの生命力を感じさせるものが流れ込んでいる。それは、ここ数年来高木が関心を寄せている、古来の文化や世界各地の神話が根差している、人間の深層に眠る原初的な力といったものから来ているようだ。

せんだいメディアテーク開館10周年事業「いま、バリアとはなにか」

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[2010年12月01日号(伊藤匡)]

 せんだいメディアテークは、「あらゆる障壁(バリア)からの自由」「最先端の知と文化を提供」「端末(ターミナル)ではなく節点(ノード)へ」という三つの理念を掲げて活動を続けてきた。開館10周年として、理念のひとつである「バリア」をテーマにしたのがこの企画である。身体、言語、性、民族、空間などのバリアは依然としてあるにもかかわらず、情報技術が進化した現代の社会においては、却ってバリアが見えにくくなっているのではないかという問題意識を前提に、バリアの顕在化とその超克をめざしたものといえる。

トピックス

ORERAとWah documentの「筋トレハウジング」in「おもしろ不動産」(北本ビタミンプロジェクト)

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[2010年12月01日号(熊倉純子)]

 かけ声とともに、古ぼけた家はゆらっと浮いた。200人の人間が人力で家を持ち上げたのである。観衆からうおーっという歓声が上がる。ほんの3秒ほどが2回、20センチほど浮き上がった家は、その瞬間、いったいなにに変容したのだろうか。

artscapeレビュー

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