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2011年11月01日号のバックナンバー

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フォーカス

手と心の触感──向京の「この世界は良くなるのか?」展と「手で触れる」展

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[2011年11月01日号(多田麻美)]

 反骨の作家、向京(シアン・ジン)がふたたび新作を携えて戻って来た。9月23日より今日美術館で「この世界は良くなるの?──向京作品2008-2011」展が開催されたからだ。
 2005年に季節画廊で行われた「保持沈黙 keep in silence──向京作品2003─2005」展が、当時まだ取り壊し計画に抗う意味合いをもって開かれていた798芸術祭で強い反響を呼んで以来、向京はずっと筆者にとって次の作品に出会えるのが楽しみな作家のひとりだった。

キュレーターズノート

沢田マンションとSAWASONIC サワダマンションマツリ2011

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[2011年11月01日号(川浪千鶴)]

 30年間勤務した福岡県立美術館から、地縁、血縁、アート縁ほぼゼロの土地・高知に移ったのは4カ月前、今年の7月だった。artscapeの草創期からしばらくのあいだ、福岡のアートシーン報告を担当していたが、時を経てまた同じ「学芸員レポート」欄に、今度は高知県立美術館スタッフとして執筆の機会をいただいたことには感慨深いものがある。福岡県立美術館に退職届を提出した翌日におきた東日本大震災。個人的にも社会的にも激動の年として心に深く刻まれるとともに、新たな始まりの年にしたいという思いも強くなっている。高知から、美術と美術館の振興はもちろん、地域や人が想像力でつながる可能性をテーマに、これからもしっかり見つめ、じっくり考え、機敏に行動していきたいと思っている。

ハルカヤマ藝術要塞2011、飛生芸術祭2011、夕張清水沢アートプロジェクト

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[2011年11月01日号(鎌田享)]

 「北国の夏は短い」とよく言われるが、この20年ほどを北海道で過ごしてきた者の実感として、秋はもっと短い。今年はそれほどでもなかったが、例年お盆を過ぎるとにわかに空気が冷たさを増す。そしてこの原稿を書いている10月中旬には、紅葉もあらかた終わる。感覚的には、夏の終わりは、冬の初め、なのである。そんな短すぎる北海道の秋を彩るように、アート・イベントが北海道各地で相次いで開催された。今回はそのひとつ、「ハルカヤマ藝術要塞2011」から、筆をおこす。

artscapeレビュー

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