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2011年11月15日号のバックナンバー

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フォーカス

ビエンナーレ物語、そしてイスタンブールとテッサロニキへ

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[2011年11月15日号(市原研太郎)]

 これまでいくつのビエンナーレを観てきたのだろうか。それらの名前(開催都市名)を列挙してみるなら、まず、私にとってもっとも忘れがたいパリ。現在では開催されていない(最近、パリではトリエンナーレが行なわれている)が、1975年、第9回パリ青年ビエンナーレ(35歳以下が条件の若手アーティストのビエンナーレ)をたまたま鑑賞したことがきっかけで、私は現代アートの世界に引き入れられた。当時、現代アートにまったく門外漢であった私の心に衝撃を走らせたこのパリ・ビエンナーレこそ、私のビエンナーレ経験のそもそもの出発点であり、現代アートにのめりこむ決定的なイニシエーションとなった展覧会である。その展覧会には、いまではすっかり常識になっている表現形式のほぼすべてが揃っていた。絵画、彫刻、写真、オブジェはもちろん、ドローイング、パフォーマンス、インスタレーション、フィルム、ヴィデオの作品が並べられていたのである。参加アーティストは、現在では現代アートのマスターと呼ばれる、若き日のクリスチャン・ボルタンスキー、マリーナ・アブラモヴィッチ、クシシュトフ・ヴォディチコ、ヴァリー・イクスポート、ジョン・アームレーダー、レベッカ・ホーン、ゴードン・マッタ=クラーク(故人)などであり、日本からは、彦坂尚嘉、柏原えつとむ、野村仁などの作品が展示された。

キュレーターズノート

やなぎみわ演劇プロジェクト第二部「1924 海戦」

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[2011年11月15日号(山口洋三)]

 美術家が演劇に関わるといったとき、まず思い浮かぶのが舞台美術の担当や衣装のデザイン。つまり演劇の視覚的要素を担う役割。それはしかし「演劇」においては周縁である。やなぎみわの演劇への関わり方は違った。美術家の片手間でもない、展覧会の関連事業とも対局にある、直球勝負の「演劇」を目の当たりにした。

アート・アーカイブ探求

中村正義《舞妓》──反逆するプリミティブな日本画「大野俊治」

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[2011年11月15日号(影山幸一)]

artscapeレビュー

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