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2012年03月01日号のバックナンバー

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フォーカス

交錯する都市社会と芸術表現──新局面を迎えたナイロビ現代アート

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[2012年03月01日号(西尾美也/西尾咲子)]

 東アフリカはケニアの首都ナイロビ。植民地時代から独立後、現在にいたるまで政治経済的に困難な状況にさらされてきた都市で、21世紀になり現代アートと社会変革が手を携える興味深い動きが現われ始めている。はるか遠い印象のあるアフリカ現代アートの一端について、現地から報告する。

キュレーターズノート

コミッショナー? キュレーター?──ヴェネチア・ビエンナーレ日本館について

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[2012年03月01日号(植松由佳)]

 よく年末になれば、一年を回顧した記事などが掲載されるが、個人的には2012年も二カ月を過ぎたいまになり、ようやく昨年(2011年)のことを落ち着いて振り返ることができるようになった。それは一も二もなくヴェネチア・ビエンナーレがようやく11月27日に閉幕し、無事に撤去も終了し、使用した機材も日本に到着して借用先に返却し、すべての意味で「終わった」からでもある。一年の後半には勤務先の美術館でアンリ・サラ展を企画したことなどもあったのだが、それでも昨年一年はヴェネチアに終始した年であった。

第4回恵比寿映像祭「映像のフィジカル」

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[2012年03月01日号(能勢陽子)]

 今年で4回目を迎える恵比寿映像祭のテーマは、「映像のフィジカル」である。フィジカルには、「物質的」と「身体的」の両方の意味があるが、そこに出品されている作品は、映像のリアルとはなにかというこれまで何度も繰り返されてきた問いを、物質や身体という即物性を通してあらためて考えさせた。そしてそのシンプルな根本に帰ることが、却って新鮮に感じられたのである。

大震災から一年──孤軍奮闘する小さな美術館

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[2012年03月01日号(伊藤匡)]

 東日本大震災から一年になる。被災地は、復興に向けて歩み始めた地域もあれば、いまも避難生活が続く地域、さらには避難すべきか留まるか悩んでいる地域など、現況は区々だ。美術館や博物館の状況も同様だ。福島県立美術館やいわき市立美術館は、応急処置を施して5月連休前にいち早く再開した。他の大半の美術館や博物館も夏休みまでには再開し、通常の活動に復しつつある。逆に、津波の直撃を受けた陸前高田市立博物館や石巻文化センターには、文化庁主導の文化財レスキュー事業で、被災した美術品の救出、修復活動が行なわれている。一方で、支援の手がさしのべられず自力復興の目処も立っていない、規模の小さな施設もある。今回はそのなかから二つの美術館の現況をリポートする。

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