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2018年07月01日号のバックナンバー

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フォーカス

【ウィーン】歴史と共鳴するコンテンポラリーアート

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[2018年07月01日号(丸山美佳)]

オーストリアの首都ウィーンは、過去のハプルブルク家の栄光とともにグスタフ・クリムトやエゴン・シーレに代表される世紀末美術やウィーン・アクショニズムなど、芸術においては一昔前のイメージが強いかもしれない。しかし、ロンドンやベルリン、パリなどヨーロッパの現代美術の主要都市に比べるとその規模や量は劣るとはいえ、ウィーンという小さな街にしては多くの(そして比較的安く)芸術を鑑賞できる場所が多い。

キュレーターズノート

クリエイティブスペースが都市に与えるインパクトとは──国際的な施設間交流の現場から

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[2018年07月01日号(近藤健史)]

デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)が行なう、神戸を中心とした近隣文化芸術施設や団体との連携については前稿で紹介した。本稿では海外施設との連携について、2018年4月28日に開催した、神戸市×リバプール市交流フォーラム「クリエイティブスペースが都市に与えるインパクト」を事例として紹介したい。フォーラムに招聘したイギリス、リヴァプールのメディア・アート・センター Foundation for Art and Creative Technology(以下、FACT)★1のディレクターによる発表をレポートしながら、都市と文化施設の関係、神戸とリヴァプールにおける背景や状況の相違などを考察してみたい。

ノグチ・丹下が香川に投じた一石の波紋──「20世紀の総合芸術家 イサム・ノグチ 彫刻から身体・庭へ」/「山本忠司展」

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[2018年07月01日号(毛利直子)]

今年度より、川浪千鶴氏(前高知県立美術館学芸員)の後任として四国エリア担当となったので、自己紹介から始めてみたい。私が勤務する高松市美術館は、戦後間もない1949(昭和24)年に栗林公園内で誕生した市立美術館の老朽化に伴い、バブルが弾ける寸前の1988(昭和63)年、市内中心部の商店街に隣接した現在の地に移転新築された。そして、四半世紀ぶりに臨んだ改修工事を経て、2016(平成28)年にリニューアルオープンし、今年2018年開館30周年を迎えている。この間、私自身は高松市歴史資料館や市文化芸術振興課への異動時期もあり、文化行政・瀬戸内国際芸術祭などに関わることにもなった。今回「キュレーターズノート」に執筆する機会をいただき、地方にあって美術館が何を発信しようとしているのか、また地域の固有性ゆえの模索と可能性について、展覧会などの活動を通して考えを深めていきたいと思う。 初回は、私たち香川に住む学芸員にとって、身近であって近寄りがたい特別な存在、芸術家イサム・ノグチの汲み尽くせない仕事に迫った香川県立ミュージアムでの特別展「彫刻から身体・庭へ」に触れる。

artscapeレビュー

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