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2018年12月01日号のバックナンバー

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フォーカス

【パリ】混沌の時代に共感を呼ぶエゴン・シーレとジャン=ミッシェル・バスキア

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[2018年12月01日号(栗栖智美)]

パリはこの秋、続々と興味深い展覧会がスタートした。なかでも興味を引いたのが、2014年オープンのルイ・ヴィトン財団美術館で開催される「エゴン・シーレ展」「ジャン=ミッシェル・バスキア展」だ。この個性的な2人のアーティストのペアリングは、Le monde、Le temps、L’express誌などのネットニュースで取り上げられ、パリ外れのブーローニュの森の中というアクセスの悪さを考えても、観るべき注目の展覧会として話題になっている。

キュレーターズノート

交差するアイデンティティと「障害者アート」

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[2018年12月01日号(田中みゆき)]

アンリミテッド・フェスティバルは、ロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会に向けた文化プログラムのひとつとして2009年から始まり、2012年のフェスティバルの成功を受けて助成の継続が決まり、2年に1度の開催を続けている。

Local Prospects 4 その隔たりを/その海のあぶくの 田代一倫「ウルルンド」、山内光枝「つれ潮」/川辺ナホ「In Other Words/言い換えると」

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[2018年12月01日号(正路佐知子)]

九州、沖縄を拠点とする若手作家を公募で選出し行なわれる「Local Prospects」の第4回展がこの10-11月にかけて開催された。それと時期を同じくして、休館中である福岡市美術館のリニューアルオープンに向けて奔走するかたわら、同館の正路佐知子は過去の企画展で紹介した作家たちを再び福岡に招き、美術館外でも展覧会を企画したという。この両者の企画を通し、「その地に生きる」人と向き合う表現についての正路の考察をお届けする。(編集部)

ゲンビどこでも企画公募2018

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[2018年12月01日号(角奈緒子)]

毎年恒例の公募展の季節がやってきた。筆者が勤める広島市現代美術館ではこの時期、「ゲンビどこでも企画公募」を開催しているのだ。2007年にスタートしたこの公募展は、今年で12回目を迎える。こうした公募展は日本全国の美術館で、または自治体によって開催されており、今どき珍しくもなんともない。しかしながら、大学・大学院に在学中もしくは卒業・修了したばかりの若手作家はもちろん、「中堅」とみなされるにはまだ少しばかり早い作家たちにとっては、貴重な作品発表の機会であるに違いない。

トピックス

アートミュージアム・アンヌアーレ2018開催レポート

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[2018年12月01日号(artscape編集部)]

美術館に関わる人々が、立場を越えて議論し交流する場「アートミュージアム・アンヌアーレ2018」が、10月30日から11月1日の3日間、パシフィコ横浜で開催された。本展は今年から始まった新しい試み。アートをとりまく環境が大きく変化するなかで、どのような展示やディスカッションが行なわれたのか。そして、そもそもあまり聞き慣れない「アンヌアーレ」とは……? 図書館総合展と合同で開催されたアートミュージアム・アンヌアーレ2018をレポートする。

[PR]サントリー美術館に聞く! 学芸員インタビュー「扇の国、日本」

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[2018年12月01日号(上野友愛/内田伸一)]

1878(明治11)年のパリ万博では、エジソンの蓄音機やウィルソンのミシンなど、後の文化に大きな影響を与える発明品が存在感を示した。他方、日本からはまた異なるアプローチで、この国の小さな発明品が出品されたと伝わる。それが、狩野派や土佐派から、水墨画、浮世絵、文人画まで、幅広い時代と流派を網羅した百本の「扇(おうぎ)」である。おりしもジャポニスムが花ひらく時代、これらの扇は、日本絵画の魅力を凝縮して伝えるべく選ばれた。
大陸発祥というイメージもある扇だが、現存する資料は扇が日本で生まれたことを示すという。宗教祭祀や戦いの場では特別な力を期待され、あるいは携帯できる実用品・美術品として流通し、人と人をつなぐコミュニケーションツールにもなった扇。その多面的な美の世界を、「扇の国、日本」展の担当学芸員、サントリー美術館の上野友愛氏に案内いただく。

360°ビュー

上野アーティストプロジェクト2018「見る、知る、感じる ― 現代の書」

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[2018年12月01日号(田村麗恵)]

「書」の世界、とりわけ現代書の世界というと、絵画鑑賞の世界とは別の古典的素養がないと楽しめないものという印象があるかもしれない。だが明治時代から戦前まで書家たちは、西洋から受容した「美術」とは対照的に、中国や日本の古典を参照しながら近代的な表現を追求してきた。戦後さらに欧米での抽象表現主義にも影響を受けながら、今も様々な試みが行われている書の世界。それは、ある意味、もうひとつの日本現代美術といえるかもしれない。
東京・上野の東京都美術館では、そんな、現代の書の多彩なあり方を模索している作家を紹介する展覧会を開催中だ。上野アーティストプロジェクト2018「見る、知る、感じる ─ 現代の書」展を、同展担当学芸員である同美術館の田村麗恵氏のお話を伺いながら巡った。(artscape編集部)

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