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2023年12月01日号のバックナンバー

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フォーカス

【NY】ジュディ・シカゴ──彼女たちのヒストリーとストーリー

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[2023年12月01日号(梁瀬薫)]

2010年代から盛り上がっている#MeTooやBLMなどの人権運動は、アート界の地殻変動をもひきおこしている。これまでスキャンダラスな作品で著名ではあるが正当な評価から疎外され、美術史の周縁に追いやられていたジュディ・シカゴの回顧展がNYのニューミュージアムで大々的に開催中だ。回顧展の後半では、ほかの女性や性的マイノリティの作家の作品の展覧会も構成されている。それは、単なる参考作品として並べられているのではなく、いままで見えなくされてきた美術史があることをニューミュージアムのアーティスティック・ディレクター、マッシミリアーノ・ジオーニとフェミニズムのアクティビストであり、文化史家としてのシカゴは示そうとしているようだ。本展をNY在住のアートプロデューサー、簗瀬薫氏にレポートしていただく。(artscape編集部)

キュレーターズノート

表も裏もない展覧会 「さいたま国際芸術祭2023」(メイン会場)と「Material, or 」

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[2023年12月01日号(田中みゆき)]

現代アートチーム目[mé]がディレクションした「さいたま国際芸術祭2023」(本稿での記述はすべてメイン会場)は、いわゆる芸術祭や展覧会とは一風違った様相を成している。この芸術祭では、「何気ない経験の数々を、いつもより少しだけ積極的に見つめることで、誰にも奪えないような固有の鑑賞体験につながっていく」★1ことが目指されているという。まず大きな特徴として、透明なフレームがメイン会場に縦横無尽に張り巡らされており、大まかにいうと3つの順路に分けられていることが挙げられる。どちらが表か裏かという区別はないが、それぞれの順路に異なる作品が設置されていて、両側から見ることができる作品もある。もうひとつの特徴は、会場内の至るところに掃除用具などの日用品やソファ、机などが置かれており、建物の記憶や人の痕跡を呼び起こすようなものが置かれていることだ。

美術館内でもっとも動的な場所から生まれるもの──府中市美術館と公開制作

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[2023年12月01日号(大澤真理子)]

東京都の西側、多摩地域にも数多くの美術館が存在するが、そのなかでも府中市美術館は展示室とは別に公開制作のための部屋を擁しているのが大きな特徴だ。2000年の開館当初から、90組近くの作家による公開制作のバトンが連綿と繋がれてきた公開制作室。今年4〜7月にかけての馬塲稔郎氏の公開制作とその関連企画を担当した学芸員の大澤真理子氏に、作家の制作過程を市民に開いていく活動のなかでの発見を綴っていただいた。(artscape編集部)

トピックス

[PR]メディアとしてのミュージアムグッズ──文化と経営を媒介する

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[2023年12月01日号(大澤夏美)]

展覧会場を抜けた先には、セレクトショップと見紛う空間が広がっている。そうしたおしゃれなミュージアムショップは、いまや見慣れた光景です。けれど、いっけんキャッチーなミュージアムグッズを博物館の経営から考察したり、学術的な知見を普及する一種のメディアとして捉えたりすることは、それほど馴染みがないのでは? そうした視点を与えてくれるのは、ミュージアムグッズ愛好家として活動される大澤夏美氏です。今回は氏の語りをまとめた記事をお届けします。(artscape編集部)

360°ビュー

【PR】artscape × MMM 全国の美術館学芸員とセレクトした 会話がはずむ もらって嬉しいミュージアムグッズ

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[2023年12月01日号(大澤夏美/artscape編集部)]

この冬、MMM(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド)では、artscapeと連携した新企画「artscape × MMM 全国の美術館学芸員とセレクトした 会話がはずむ もらって嬉しいミュージアムグッズ」を来年1月31日まで開催中です。
MMMでは、これまで「アートとデザインを暮らしに」をテーマに、世界のミュージアムに関する情報提供やミュージアムグッズなどの販売を行なってきました。
全国の美術館・博物館から冬の贈りものにぴったりの品々をミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美さんと、本サイトの「キュレーターズノート」に執筆していただいてるモエレ沼公園、府中市美術館、鳥取県立博物館、福岡市美術館、熊本市現代美術館の学芸員の方とともにセレクトいたしました。
師走の銀座の会場で、それぞれの館のイチ推しグッズを拝見しながら、大澤夏美さんにミュージアムグッズを選ぶときのポイントを伺いました。(artscape編集部)

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