わくわくJOBAN-KASHIWAプロジェクトはじまります

10/29まで『脱臼』展も本当にいいので、あと3日、ぜひいらしてください。11/3〜わくわく柏はじまります。

http://www.wakuwakujapan.com/

昨日柏では、アートラインかしわの一環で、まちデザインシンポジウム「アートは地域を変える〜時代、フィールド、人〜」が行われました。

http://www.kashiwa-art.com/alk10/project/project_08.html

中村政人氏(アーティスト / 東京藝術大学美術学部准教授)、藤田とし子氏(㈱ 全国商店街支援センター事業統括役)山出淳也氏(アーティスト / NPO法人BEPPU PROJECT代表理事)と、コーディネーターとして、清水義次氏(都市・地域再生プロデューサー / ㈱ アフタヌーンソサエティ代表取締役 / 東洋大学大学院公民連携専攻客員教授)が来られて、贅沢なシンポジウムが、柏の商工会議所にて開催されました。

まずは中村さんが3331 arts chiyodaに至る経緯とその想いを話されました。街の中で出会う気配を感じるところから、いかにそこに変化を与え、変化する方向をよりよき方向に導くか、個人のイメージが街に伝搬して行く、シンクし、シンクロしていく(逆に街の変化が個人にも還元される)そうしたサスティナブル・アイデンティティー、部分と全体の関係とその間のオペレーションに興味があるそうです。地域にもともと存在する可能性、地域印紙をみつけ、そこにいかに変化を加えて行くか、個人を超えて大きな動きをつくっていくか。その集大成として、3331 arts chiyodaがあるとのこと。3331は、お祭りの神田一本締めから来ているそう。その一体感、心がつながる瞬間を、中村さんはつくろうとしているようです。と同時に、維持する動機や意志の力の重要性、変化を感じ、本質を見極める、今を感じる力−鑑動力−をトレーニングすることがアートにはできる、アートにより心の琴線に触れることの重要性を話していらっしゃいました。

http://www.3331.jp/

そして次は山出さん。山出さんの運営される別府プロジェクトは、今や年間6000万円の予算で、10名のスタッフ(しかも来年さらに6名も新規雇用されるそう)の企業です。2005年何もない、ただ市民主導のフェスティバルを開催すると決めたところからスタートし、2006年アートNPOフォーラムでの共同の呼びかけでモデレーターをつとめた芹沢高志さんや、JCDNの佐藤さんがフェスティバルの主要メンバーが決まってきて、2007年には、市の人や商工会議所に呼びかけ、クリエイティブ産業として「世界の温泉都市別府づくり」というテーマでシンポジウムやプレゼンテーションを行ったそう。そこで山出さんが提案したのが、「星座型面的アートコンプレックス構想」文化を中心にどうオペレーションし、人的なネットワークを作って行くかというもの。それをもとに、今商工科の方とたくさんのプラットフォーム(ギャラリー、レジデンス、商品開発のセレクトショップ、コミュニティカフェなど街全体で生涯学習ができるもの)をつくることになったそうです。そうすることにより彼は、雇用の創出が行われることが重要だとおっしゃっていました。

http://www.beppuproject.com/

そうしてできたのが、『混浴温泉世界2009』いろんなジャンルのアーティストを、点在する拠点を巡って行く中で体験できるような仕組みを、6000万円の予算でつくったそうです。その中でも、20人ほどの作家をよんだらいいといったところが結果130人もの作家やキュレーターが集まった「わくわく混浴アパートメント」やダンスの取り組みなど予想以上の反響があり、それによりこれまで別府が一番苦手としていた20〜30代の女性が県外から50%も訪れたそうです。そうした市民主導型の取り組みが評価され、21年度文化庁長官賞も受賞し、今年も、『別府アートマンス2010』として、ちょうど11月に開催を予定しています。

http://www.mixedbathingworld.com/bam2010/index.html

地域活動団体の場として人を整備して行くこと、何かをするサポートをしていく、横の連携をはかっていくことが今後の課題だそうで、文化が街にとって、何ができるか?今後も取り組んで行かれるとのこと。

そして、次は藤田さん。アートラインかしわの成り立ちの話を興味深く伺いました。98年にできた柏のイメージUP推進委員会が今のアートラインの前身になっています。この指とまれ的にいろんな団体ができ、やりたい人がやる、若い人がコミットメントできる機会が生まれた。仕組みをつくってから、仕組みがはたす機能ができたそうです。柏の特徴は、商業者自らが街作りに参画して行くこと。イベントの中で市民からできたものを、柏市や商工会議所が後押しするような形はこのころからできてきたそうです。今の課題は、団塊の世代が楽しめるようなものをつくること、そして、常磐線沿線のイメージアップだそうです。それを解決するために400万円で手作りではじめたのがアートラインかしわ。「でくわす(そうしてお互いがつなっていくような)」アート、ガイドツアーにも力をいれ、規模が5年で、エリアも広がり、街の人とのつながりもでき、わくわくのような企画も入ったり、アートの横のつながりと水平展開がはじまってきたそうです。

http://www.kashiwa-art.com/index.html

千葉県の地域活性化の助成によりプラットフォーム事業として2000万円の予算でできたのが市民活動センター。それにより環境や子育て、若者の活性化につながったそうです。その取り組みは日経MJで特集されたりしたそう。柏に誇りを愛着をもっていただけるような街作りを目指して、コミットメントのチャンスをつくられています。参画するところからもっと共振にし、柏らしさを追求していければと話されていました。また、アートの持つ力、刺激の力は必ず、ブレークスルーするようなリノベーションを引き起こすと信じていらっしゃって、その担い手を増やし、地域イメージをつくっていきたいとお話されていました。

そして、清水さんは、まちづくりをプロデュースしてこられて、アートイベントが地域にしみ込んで行く事例をいくつもご存知です。2003年から民間ですべてはじめ今やあらゆる雑誌でFUTUREされる『CET』ももともと清水さん達が仕掛けたもの。(ちなみに私は1回目から見に行きました!)

http://www.centraleasttokyo.com/10/index.html

プロジェクトを、大きな関係者を巻き込んで作るイベントととらえ、伏線型でプロジェクトを進めて行く重要性を話されていました。その上で、拠点づくりが重要であること、よそものが入ってきた時にいかに街が受け入れるか、学生のインターンの重要性、そしてアーティストと企業との異種交配の重要性についてお話されました。会所×不動産活用×インキュベーションを含めた拠点づくり、文化をつくりだす場があることにより、雇用が創出されるだけでなく、付加価値産業が生まれてくる。街のコンテンツとしてアートが役立つ、都市文化こそが産業になりつつある、つまり本気でビジネスになると感じていらっしゃいます。(私もまさにそう思います。表現は産業です)その上で、動物的磁気や時代の風の流れを感じながら、人にかけることの重要さを話されました。

そうして、どう柏は、都市の文化をつくりだせる街をつくっていけるか?アートをどう活用して行くのか?そういう話になって行きました。山出さんは、もちはもちやだから、ディレクションが重要である。アートクリエイティビティとは絶対的なものなのだから、ディレクションと街の魅力作りが必要だと話されました。また中村さんは、一人の人には様々な顔がある。また本人の能力がのびる瞬間がある。一つの場所がのばしてくれるかもしれない。軸を見失わず、コーディネートして行く、街をつないでいく人、マネジメントの仕事のクオリティこそがプロジェクトを決める、そのコーディネーターを養成して行くことが必要だと話されました。

私は、その話を聞いていて、すごく呼ばれた感じがしました。別府に滞在し、柏に誘われ今いて、12月から3331に1室もうける。(清水さんも3331にいらっしゃいます)そして柏にいて拠点をもち、人がいる。これは、今日私がここにいるのも必然だなと思い、最後に切り出しました。(実際、お三方ともislandと私の話を出して下さったので応答したいと思ったのです)私はこの2010年からご縁あって柏でislandを始めた。この1年、自立してまわしていくためにも職能としてギャラリー活動しながら(それは誇りをもっています)も、ただ商品として作品を売るにとどまらない、必要だと思う企画を一つ一つ作り出し、提案してきた。そして柏で何ができるか毎月アートラインの会議になるべく参加しながらリサーチしてきた。この1年やってきたのは、アーティスト、あるいは批評家やキュレーターなど、アートを社会につなぐ人のネットワークをつくってきたんだと思う。そして、その人のネットワークを、表現を、社会にもっと活用していきたいと思っています(産業として)。だから今株式会社にしました。

だから、私は、拠点として、人材育成の場として、もっとislandを柏に役立てて行きたいと思います。と立候補しました。

本当にちょうど、私は柏のislandをisland ATRIUMとして4月から街のアートセンターにしようと思いました。ATRIUMの意味は以下です。

ギリシャ神話で宮殿の水盤のある中庭をアトリウムと呼んでおり(現代のギリシャ語では「明るい・晴れた」という意味)、そこからラテン語古代ローマ時代の住居の中庭を意味するようになった。「アトリエ」の語源にあたる。

古代ローマ時代の住居の中庭は玄関奥に配置された広間で、そこには大きな天窓があり、その下に雨を受ける水盤が置かれ床には大理石が敷き詰められ、人々が集まる社交場の役割を果たしていた。

20世紀後半以降の現代建築において、エントランスホールに壁面や天井にガラスを使用した吹き抜けがある開放的な空間が設けられるようになり、それをアトリウムと呼ぶようになった。

アトリエを備え、いい作家を養成するとともに、アートと社会を結ぶ人を育て、人が出会う場になれば、本当にいいと思います。

そして、来月11月の「わくわくJOBAN-KASHIWAプロジェクト」はあらかじめその構想のもと、作家さんにはなるべく、柏でできること、アトリエを開放したり、あるいはラジオ局をつくったり、カフェ的な要素をつくったり、あるいは外にでていって、街の人と出会う機会を設けたり(11/3に駅前のホコ天でライブやワークショップを行います)、こちらから街を知り、まわるために「わくとこツアー」を企画したりすることにしました。

また、コーディネーターに未来を担う、若い3人(清水梓、清水彩、中山亜美)に入ってもらいます。私は、3人とこの会期中勉強会を開こうと思います。毎週土曜日、私がしてきたことや伝えられることを3人に伝えながら、今後どうしていくかブレストをするような機会になれば、また、この期間は実験月間として、今後の可能性を「わくわく」しながら試す期間になればと思います。

企画したい人はぜひ持ってきてください。使いたい人、作りたい人、なんでもやりたいことがある人は遊びにきて大丈夫。たぶんコーヒーやお茶をいれてくれたり、カレーが食べられたりもあると思う。

そして最終日までどこまで楽しめるか、そんな11月になればと思います。

http://www.wakuwakujapan.com/

よろしくお願いします。

ブロガー:伊藤悠
2010年10月25日 / 03:48

1件のコメント

  1. [...] 以下に少し書いています。 /blogs/blog3/1345/ [...]

    ピンバック by island — 2010年10月29日 @ 16:23

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