現代美術用語辞典 1.0

グルッポT

Gruppo T
2009年01月15日掲載

1959年、イタリアのミラノにおいて結成が宣言された芸術運動。J・コロンボ、D・ポリアーニ、G・アンチェスキ、G・デ・ヴェッキらの参加メンバーは、テクノロジーを駆使した新しい視覚表現の開拓を目指した。翌60年に開催された最初のグループ展では、会場にL・モホリ=ナギやA・カルダー、P・マンゾーニらの肖像が掲げられ、L・フォンタナを師と仰いでいた「グルッポT」の作家は、自分たちの活動を同時代のキネティック・アートの世界的趨勢のなかへと位置づけていた。彼らが計画していたという「音と光の塔」はその精髄を伝えるもの。なお、同時期の似たような動向としては、60年にパドヴァで誕生した「グルッポN」や、60年にドイツのデュッセルドルフで旗揚げした「グループ0」を挙げることができる。

[執筆者:暮沢剛巳]

現代美術用語辞典 2.0

▲ページの先頭へ