現代美術用語辞典 1.0

コブラ

CoBrA
2009年01月15日掲載

1948年、ベルギー人作家のG・コンスタンとC・コルネイユ、K・アペルらオランダ人作家がパリにおいて「コブラ」と称する新しい絵画運動を組織し(翌年P・アレシンスキーが加入)、運動に加担した作家がそれぞれ在住していたコペンハーゲン、ブリュッセル、アムステルダム3都市の頭文字を組み合わせて自らのグループ名とした。極度な抽象性と素朴な具象性が同居したその激しい感情表現には、プリミティヴィズムフォーヴィズムの影響を指摘することもできるが、グループ名の由来が示すように、この運動にはパリやニューヨークを拠点とした従来の美術運動との距離感のもとに成立した「リージョナリズム」の側面もあった。このグループ自体は51年に解散してしまう短命なものだったが、それぞれの作家が以後も「コブラ」と同様のスタイルで多大な成果を収めたため、この運動は第二次大戦後の風潮にいち早く対応したスタイルとして今も高く評価されている。

[執筆者:暮沢剛巳]

現代美術用語辞典 2.0

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