現代美術用語辞典 1.0

オーストリア国立工芸美術館

Osterreichisches Museum für Angewandte Kunst (MAK)
2009年01月15日掲載

1871年、ウィーンに建設された応用美術を専門とする美術館。ルネサンス以降現代に至る、30万点近くの応用美術の充実したコレクションを持つ。1986年、ペーター・ノーヴァー館長を中心に再編整備が開始され、1993年に改築が完了した。複数の建築家により、大規模な増改築を実施。展示室、収蔵庫のほかに、「スタディ・コレクション」室と呼ばれるスペースを本館の地下に設けた。それにより、展示室と「スタディ・コレクション」室との明確な役割分担が可能となった。展示室は、展示品の数を極力減らし、J・ホルツァー、B・ブルームなど現代美術作家にディスプレイ・デザインを行なわせ、ディスプレイ自体にインスタレーションの性格をももたせている。それに対し、「スタディ・コレクション」室は、機能や素材に従って分類され、非常に多くの展示品が所狭しとならべられており、収集品どうしの比較対照が容易となっている。また、この再編により現代美術がコレクションに加えられ、特にデザインとの境界上で活動している作家を中心に収集や展示が行なわれている。1995年、アメリカのロサンゼルスに支部として美術建築センターを開設している。

[執筆者:鷲田めるろ]

現代美術用語辞典 2.0

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