現代美術用語辞典 1.0

オートマティズム

Automatism
2009年01月15日掲載

自動記述、自動現象と訳される。そもそもは生理学・心理学用語であり、意識の介在なしに動作を行なってしまう現象を示す。1920年代ヨーロッパのシュルレアリストたちはこの現象を表現に応用し、理性によるコントロールを取り除いて意識下のイメージを記述することを目指した。自由に思いつくままの言葉を記したA・ブルトンとF・スーポーによる詩『磁場』が嚆矢とされる。F・ピカビアのインクのしみやJ・アルプのちぎり絵、M・エルンストのフロッタージュ、O・ドミンゲスのデカルコマニー等がそれに続く。第二次大戦前後にブルトン、エルンストらはアメリカに亡命するが、アメリカでもオートマティズムの方法論は注目され、A・ゴーキーやJ・ポロックらがアクション・ペインティングを産み出すきっかけとなった。

[執筆者:苅谷洋介]

現代美術用語辞典 2.0

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