現代美術用語辞典 1.0

ネット・ペインティング

Net Painting
2009年01月15日掲載

キャンヴァス一面に網目模様を描く草間彌生(1929-)の絵画のこと。網目絵画ともいう。1959年にニューヨークで、草間が《無限の網》(Infinity Nets)という5点のモノクロームの絵画を展示したのが、その始まりであり、1960年の「モノクローム絵画」展(ウド・クルターマン企画、ドイツ)では、フォンタナ、マンゾーニ、クラインの作品とともに展示された。最初は油彩が主だったが、後にアクリルも使うようになる。この絵画群は作者自身も述べるように、「始まりも、終わりも、中心もな」く、構図もない絵画である。白と灰色、赤と白などの色の組み合わせがあり、一般に大きな画面である。何枚も組み合わせて作品とすることもあった。作者本人によれば、この絵画は自分の幻覚体験とも密接に関係があるということである。最も代表的な作品は1960年代までに描かれているが、80年代以降も、アクリルを使ったより微細で、より鮮やかな色彩の網目で覆われたネット・ペインティングを描き続けている。草間にとっては網目と水玉はネガとポジの関係にあり、一面水玉で覆われているドット・ペインティングも、ネット・ペインティングとともに論じられるべきだろう。
ネット・ペインティングの作品例: 《No. White. A .Z》1958-59年、油彩/キャンヴァス、232.4×362cm 《夕映えの海(迫り来る死を前にして)》1988年、アクリル/キャンヴァス、194×130cm

[執筆者:三上真理子]

現代美術用語辞典 2.0

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