2018年12月15日号
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現代美術用語辞典 1.0

ネットアート

Net Art
2009年01月15日掲載

コンピュータ空間内に構築されるアート作品の総称。その範疇はきわめて広いが、ネット特有の環境を利したアート作品という側面を強調することで、デジタル化された情報やデータの保存・公開を第一の目的としたヴァーチュアル・ミュージアムとは区別される場合が多い。W・ギブソンが「サイバースペース」概念を提唱して以来、物理的な制約を受けないコンピュータ空間の可能性は多くのアーティストの想像力を刺激してきたが、1992年に実現したインターネットの商用化は多くのアイデアを実現するきっかけとなり、早速HTMLやjavaを大胆に活用したJODIやA・シュルギンらの先駆的な作品が登場した。また1997年以降は、RealplayerやShockwaveなどのプラグインが普及、さらに遠近感に富む表現が可能になり、ネットアートはわずか10年のうちに百花繚乱の観を呈するようになった。もっとも、その膨大な作品数に比して、ネットアートが社会的なポピュラリティを獲得したとは言いがたく、また一部の国際展などを除けば、その質的判断が問われる機会もない。社会一般への浸透と評価基準の確立が、今後の急務と言えるだろう。

[執筆者:暮沢剛巳]

現代美術用語辞典 2.0

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