現代美術用語辞典 1.0

ポンピドゥー・センター

Centre National d'Art et de Culture Georges Pompidou
2009年01月15日掲載

1969年、ジョルジュ・ポンピドゥー大統領が文化センター建設を決定。イタリア人R・ピアノとイギリス人R・ロジャースらの共同プランによって、ボーブールの旧中央市場跡に建設され、77年「マルセル・デュシャン」展で開館。パレ・ド・トウキョウから移った国立近代美術館のほか、産業創造センター、音響音楽研究所、公共図書館を含む総合文化センターで、ジャン・ボードリヤールは『ボーブール効果』のなかで、ポンピドゥーを“文化のハイパー・マーケット”と形容した。ポンテュス・フルテン、ドミニック・ボゾ、ジャン=ユベール・マルタンらが館長を務めた国立近代美術館は、H・マティス以降20世紀を俯瞰する収蔵品を有すると同時に、センター内の施設と共同で多領域にまたがったテーマ展を開催。「パリ―ニューヨーク」(1977)をはじめ、パリと20世紀美術の中心都市の関わりを主題にした展覧会、「前衛芸術の日本」(1986)、「エポック・モード・モラル・パッション」(1987)、「大地の魔術師」(1989)、「芸術と広告」(1990)など、グランド・ギャラリーの企画展は総合的な効果を上げ、話題を集める。また「ルネ・マグリッド」(1979)、「マン・レイ」(1981)、「ジャクソン・ポロック」(1982)など物故作家の大回顧展のほか、現代ギャラリーでは中堅、若手作家を紹介。1997年10月から1999年12月までセンター全体の改修工事と国立近代美術館の拡張工事のため休館したが、2000年1月に再オープン。 複合施設としての充実を図る一方、センター内で無料入場できる部分は減少した。美術館では常設展示も一新され、デュビュッフェの回顧展(2001)などが行なわれている。(2002年5月時点で、センター総裁代理★1はブルノ・マカール、近代美術館館長はアルフレッド・パックマン。)

[執筆者:柴田勢津子]

現代美術用語辞典 2.0

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