2018年01月15日号
次回2月1日更新予定

現代美術用語辞典 1.0

貸画廊

Rental Gallery
2009年01月15日掲載

レンタルスペースとして運営される画廊の一般的呼称。原則として、所定の賃貸料さえ支払えば誰でも一定期間借りることのできる施設で、「家主」たる画廊主は、そこで展示される作品の質に対して責任を負う必要がなく、ギャラリストが自らの判断で展示作家を選び、プロモーションを行なう企画画廊とは異なる性質のスペースと考えられる。画廊といえば企画画廊のことを指す欧米にはレンタルスペースとしての貸画廊は存在せず、「貧しい若手作家に経済的負担を強いる」「芸術に理解のない公的機関の代替施設」「素人でもギャラリストがつとまってしまう」等々、日本独特の貸画廊はさまざまな角度から批判されてきた。しかし少数の例外を除けば、キャリアに乏しい若手作家には貸画廊以外に発表の場がないことも事実であり、今は名をなしている作家の多くもそのキャリアを貸画廊からスタートさせている。貸画廊が自らの負担で有望作家の「企画展」を開催することも多く、また逆に敢えて貸画廊にこだわる作家もいないわけではない。東京・銀座に数多くの貸画廊が点在し、一年先まで予約が埋まっていたりするのは多くの若手作家がこの制度を必要としている証拠とも言えるが、長引く不況下で、最近は閉廊を余儀なくされているスペースも出始めている。

[執筆者:暮沢剛巳]

現代美術用語辞典 2.0

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