artscapeレビュー

第57回ニューヨークタイプディレクターズクラブ展

2011年06月01日号

会期:2011/05/16~2011/06/02

見本帖本店[東京都]

世界30カ国から応募されたタイポグラフィを主体とするグラフィック作品のなかから208点を展示する展覧会。この展覧会をどう見て良いのか困るのは、おそらく私が部外者だからであろう。個々の作品がなにを意図しているのか、誰をターゲットとしているのか、どのような媒体に掲出されるのか、どの程度の露出を前提としているのか。作品が内包する課題、生み出されるまでに直面したであろうさまざまな制約が展覧会場ではわからない。海外のターゲットのための海外の制作者による作品を、ターゲットの外にいる私が評価するのは困難である。なので、表現の表面的な新しさ、個人的な好み以上のコメントはできない。
もっとも、あなたがデザイナーであるならば話は別である。この展覧会はタイポグラフィ表現の最新の見本帳である。ここに世界のトレンドが集まっている。実物を手にとり、スケール感、質感を体感できるこの機会にぜひとも見に行くべきである。どんな作品集を見るよりもはるかに得るものがあるはずだ。[新川徳彦]

2011/05/18(水)(SYNK)

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