artscapeレビュー

映像作品上映会“MOVING”

2011年06月15日号

会期:2011/05/20~2011/05/22

京都シネマ(第1会場)・アートフェア京都内507号室(第2会場)[京都府]

アートフェア京都に合わせて3日間行なわれた映像作品上映イベント。「京都で活動するアーティストと社会をつなぐ」というテーマで運営されているウェブサイト「&ART」と、京都を活動拠点とする映像作家の企画によるもので、かなもりゆうこ、トーチカ、林勇気、平川祐樹、松本力、水野勝規、宮永亮、村川拓也、八木良太の9組の短編作品が紹介された。一日に1度だけの上映会だったが、アートファンのみならず、さまざまな人が各作家や作品に興味を持ち、ひいてはアートへの関心をより深めることができる機会にしたいと、出品アーティスト3組とゲストによるアフタートークも毎日行なわれた。作品にまつわるエピソードやコンセプトについてもさることながら、来場者が料金を払って鑑賞する映画館での上映会は、見る側が空間的にも時間的にも“拘束”される分、美術館やギャラリーなどの展覧会場で発表するのとは異なる強い緊張感があるという作家自身の思いが語られたトークは興味深く、とても良い時間だった。今回の上映作品のなかには私にはいまいち理解できないものもあったのだが、さまざまな表現がバランスよく選ばれていて、全体に充実した内容であった。できれば第二回目、三回目と開催してほしい。

2011/05/21(土)(酒井千穂)

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