宮崎学 となりのツキノワグマ:artscapeレビュー|美術館・アート情報 artscape

2018年08月01日号
次回9月3日更新予定

artscapeレビュー

宮崎学 となりのツキノワグマ

2011年07月01日号

会期:2011/05/25~2011/06/07

銀座ニコンサロン[東京都]

定点観測によってツキノワグマの生態をとらえた写真展。山道の傍らに設置したカメラは、その道をゆく登山客や犬、猫、そして数多くの熊を映し出したが、ツキノワグマの生態が人間のそれと近しいことに驚きを禁じえない。それは動物を擬人化して撮影する写真家の作為にもとづくというより、むしろツキノワグマと人間の行動原理が根本的にはどこかで通底していることに由来しているように思われる。カメラを収めた木箱を覗きこむ熊の顔は、好奇心にかられるあまりドッキリカメラに易々とひっかかる私たち自身と重なって見えた。私たちが思っている以上に、じつは「立つ」ことができる哺乳類が少なくないように、人間と動物の境界はそれほど明確ではないのかもしれない。

2011/05/26(木)(福住廉)

2011年07月01日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ