2018年10月15日号
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artscapeレビュー

梁煕 展

2011年07月01日号

会期:2011/05/30~2011/06/11

Gallery Q[東京都]

ソウル出身のYANG HEEによる個展。キャンバスにアクリルで描いた少女像の上にオーガンジーという薄いメッシュを覆い被せた絵画作品を発表した。シンプルな描線と淡い色彩で描かれた少女たちはいずれも無邪気な素振りを見せているが、その上に重ねられた白いヴェイルのような皮膜にはあらかじめ細かい網の目や花柄などが織り込まれているため、「あちら側」にいる彼女たちと「こちら側」にいる私たちのあいだの断絶を感じざるをえない。この薄い皮膜は平面を装飾する形式的な工夫ではなく、彼女たちの無垢な純粋性ないしは処女性を強調するための装置なのだろう。誘引力があるにもかかわらず手の届かない不可能性。このもどかしさがエロティシズムを駆り立てる一方で、不純な進路を進みつつある現代絵画を生粋の原点にリセットしようとする試みにも思えるところが、興味深い。

2011/06/02(木)(福住廉)

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