2018年06月15日号
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artscapeレビュー

ジパング展

2011年07月01日号

会期:2011/06/01~2011/06/20

日本橋高島屋 8階ホール[東京都]

東京のミヅマアートギャラリーの三潴末雄がキュレイションを、京都のイムラアートギャラリーの井村優三がプロデュースを手がけたグループ展。両ギャラリー所属のアーティストを中心に31人による作品が一挙に展示された。会田誠や鴻池朋子、三瀬夏之介、山口晃といった、いわゆる「エース級」の美術家による作品が続く前半は、旧作が大半だったとはいえ、さすがに力量のある作品ばかりで、たしかに見応えがある。ただその反面、比較的若いアーティストをまとめた後半になると、とたんに尻すぼみになってしまい、落胆させられた。その要因は一人ひとりの美術家の力量不足にあるというより、むしろ作品の選定と空間の使い方にある気がした。「もっとよい作品があるのに、なぜこれなのか?」と思わずにはいられない絵画を壁面に並べただけの構成がきわめて単調だったからだ。空間の条件に違いがあるとはいえ、展示の構成に限っていえば、ほぼ同時期に東京は青山のスパイラルで催された「手錬~巧術其之貳」展のほうがすぐれていたように思う。「手錬」展と本展に共通している点があるとすれば、それはギャラリストが中心となって文化的アイデンティティを対外的にアピールしようとする戦略性。前者は超絶技巧系の現代アートによって、後者は「黄金の国」という他者からの呼称をわざわざ自称することによって、危機に瀕した自己同一性を再起動させようとしているわけだ。そこにさまざまな必要とメリットがあることは否定しない。しかし、たとえば本展ですでに金箔を貼りつけた作品がやたらと目についたように、表現上の類型化や脆弱さをもたらしかねないことも指摘しておかなければならない。

2011/06/17(金)(福住廉)

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