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松井紫朗 亀がアキレスに言ったこと──新しい世界の測定法

2011年09月01日号

会期:2011/06/11~2011/08/28

豊田市美術館[愛知県]

点数こそ多くはないが、1980年代から現在までの作品がバランスよくピックアップされており、新作の巨大なバルーン作品のインパクトもあって、見応えのある展覧会に仕上がっていた。広大な展示室1に設営されたそのバルーン作品は、観客が中に入ることができ、内外の気圧差だけで膨らんでいるというから驚きだ。また、昨年の「あいちトリエンナーレ」出品作を想起させるフォルムにも懐かしさを覚えた。松井の作品には、彫刻の大前提である量塊性を疑ったり、表と裏や内と外が視点ごとに入れ替わるチューブ状の構造という特徴があるが、多様な作品が並ぶことで彼の仕事の一貫性が明示されたのも有意義であった。

2011/08/15(月)(小吹隆文)

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