2017年05月15日号
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artscapeレビュー

第26回 国民文化祭・京都2011「COLORS OF SEASONS──大舩真言/高橋治希展」

2011年11月15日号

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会期:2011/10/29~2011/11/06

京都芸術センター[京都府]

「国民文化祭・京都2011」にあたって開催された「京の暮らしの文化展──折々のいろどり」の関連企画として同時期に行なわれていた高橋治希と大舩真言の作品展示。同センター南北のギャラリーでそれぞれ9日間展示された。薄い陶器でつくられた沢山の白いパーツが植物の葉のように螺旋を描きながら伸び上がっていくイメージの高橋の立体インスタレーションは、作品に近づくときに思わず息をひそめてしまうほど繊細で危ういバランスに見えた。張りつめるような緊張感と儚い雰囲気がたいへん美しい空間だった。大舩は、ギャラリーの壁一面を使った大作一点を展示。入口の扉を開けるとギャラリー空間は設置された壁で遮られているが、その暗い通路を進むと、奥に一段高い台があり、反対側の壁面に巨大な作品が展示されていた。深い奥ゆきを感じさせる岩絵の具独特の色彩と、壮観な自然の景色を思わせる大画面に目が釘付けになる。小学生が近づいたり離れたり、寝転がったり、いろいろな角度でずっと眺めていたというエピソードを後で聞いたのだが、その場から離れがたくなる魅力的な佇まいの絵画。見る角度や作品との距離、視線の高さ、照明が与える印象の違いなど、さまざまな点が考慮されていたのもよくわかる展示であった。どちらのアーティストの発表も見応えのあるものであったが、それだけにたった9日間の会期だったのがもったいない。
写真キャプション:会場風景

2011/10/29(土)(酒井千穂)

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