2017年05月15日号
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artscapeレビュー

元田久治 展

2011年11月15日号

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会期:2011/09/26~2011/10/22

中京大学アートギャラリーC・スクエア[愛知県]

 午後から愛知芸術文化センターでコンペの審査があるので、その前にいちど行ってみたかったC・スクエアに寄ってみる。中京大学の構内にあるギャラリーで、巷の画廊より広いけど美術館ほど広くはないというスペース。いいかえれば、新人作家の個展にはもったいないし、巨匠の回顧展には狭すぎるが、中堅アーティストのある程度まとまった仕事を概観するにはちょうどよい広さだ。元田は既存建築の未来予想図ともいうべき廃墟の版画で知られるアーティスト。そこで廃墟にされるのは、東京駅、国会議事堂、六本木ヒルズ、羽田空港などで、建築をよく調べて克明に崩している。よく見ると、傍らの植物が建物に比べて大きく描かれた絵もあり、縮小モデルの廃墟というか、箱庭的なカタストロフという印象だ。日本だけでなく、シドニーのオペラハウスやサンフランシスコの野球場も含まれている。これらは彼が文化庁の海外研修制度で滞在した場所。お世話になった街に廃墟の図を残して去るなんて、シャレてるというか、恩知らずというか。版画以外に油絵もあって、点数的にも作品の内容としても満足のいく展示だった。

2011/10/08(土)(村田真)

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