2017年09月15日号
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artscapeレビュー

神戸ビエンナーレ2011

2011年11月15日号

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会期:2011/10/01~2011/11/23

元町高架下[兵庫県]

JR神戸駅から元町駅までの高架下は古着屋や骨董屋などが軒を連ねる古びた商店街になっているのだが、半数くらいはシャッターが下りたまま。その空き店舗を展示スペースに利用して、コンペの「高架下アートプロジェクト」を展開している。ぼくが訪れたビエンナーレ会場(しおさい公園以外)のなかではここがダントツのベスト。なぜならキャナルガーデンやファミリオのような演出された商業空間と違って、ここには人々の記憶と生活感、あるいは店や商品の背負ってきた歴史が染み込んでいるからだ。だからアーティストにとっては作品制作のモチベーションには事欠かないし、観客にとっては時間の迷路をさまよいながら作品と空間の絡み合いを解いていく楽しみがあるのだ。とくにすばらしかったのが、店を改装して文字を刻み込んだ窓ガラスやグラスを展示した三浦真琴と、商店跡の地面に手づくりの石や岩を並べて石庭のように見せる松延総司の作品。神戸ビエンナーレはここだけ見れば十分だ。

2011/10/21(金)(村田真)

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