2017年12月15日号
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artscapeレビュー

作品は、ここにあった。──現代アートの考古学

2012年01月15日号

会期:2011/12/1~2011/12/17

銀座ギャラリー女子美[東京都]

この展覧会らしからぬ展覧会名を聞いてなつかしいと思う人はもはやほとんどいないでしょうね。いまちょっと調べたら、1980年に神田ときわ画廊で開かれていた。展示内容はほとんど覚えていないが、たしか「インスタレーション」という言葉がデビューして間もないころであり、そうした仮設構築作品の検証を目的に企画されたのではなかったかと記憶する。はっきり覚えているのは企画の中心に北澤憲昭さんがいたこと。今回もその北澤さんが中心となって、おそらく30年前の企画を敷衍しようとしたのではないかしら(女子美の金を使って)。展覧会構成は、まず飯山由貴が会場内に非公開でインスタレーションをつくり、それを北澤、足立元、福住廉、暮沢剛巳の4人の批評家が記述し、同時にそれぞれ写真を撮る。作品は一部を残して解体され、批評家の文章と写真、動画などの記録が展示されるというもの。意外だったのは、4人の批評家による文章が作品の様態についての記述にとどまらず、それぞれの作品解釈や背景描写にまで踏み込んでいたこと(とくに暮沢の逸脱ぶりが激しい)。「発表されなかったインスタレーションの作家本人以外の者の手による記録のみを公開する、はたしてそのインスタレーション作品は本当に“不在”なのだろうか?」を問うならば、もっと作品の様態に関する徹底した客観的記述が求められると思ったのだが。ともあれ、この企画の効用は、飯山のオリジナル作品を見てみたいと思わせたことだ(じつは同展終了後にそのインスタレーションが再現されたが、火曜という変則的な休廊日に行ってしまい見られなかったヨーン)。

2011/12/05(月)(村田真)

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