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感じる服考える服:東京ファッションの現在形

2012年01月15日号

会期:2011/10/18~2011/12/25

東京オペラシティ アートギャラリー[東京都]

目的はファッションというよりも、中村竜治による会場構成である。ちょうど目の高さだけに梁が縦横にとび、空間を仕切る思い切ったデザインだ。多くの出品者のエリアを分けつつ、連続性も確保し、さらにほかの来場者の顔の部分だけを隠すために、その人たちのファッションだけが強調される。室内において不思議な高さに水平面を設定する方法は、2010年に開催された代官山のLLOVEプロジェクトにおける中村竜治のデザインも想起させるだろう。おそらく頭をぶつけるから、監視員はみなヘルメットを脇に置いているし、梁も下部が養生されている。また腰が痛い人にとっては、にじり口ではないが、いちいち身をかがめさせられる地獄のような展示で、問題がないわけではない。しかし、この方法は支持したい。

2011/12/25(日)(五十嵐太郎)

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