artscapeレビュー

アンヴァリッド(ホテル・デ・ザンヴァリッド)/軍事博物館

2012年04月15日号

[フランス・パリ]

会場と近いので、久しぶりにアンヴァリッドに行く。ここは要塞都市のデザインで知られる技術者ヴォーバンの墓や彫像が置かれているが、フランス各地の要塞都市の模型群の展示は興味深い。美しい比例ではなく、合理主義と機能主義にもとづく幾何学的な造形は、マシーンとしての都市のようだ。軍事博物館は武器そのものが大量に展示されている。とくに近代以前の武器は、機能とシンボリズムが融合した「美術」にもなっており、ヘタな現代アートよりはるかに強度をもつ。多様な姿をもつオリジナルの数々は、『ベルセルク』の世界以上だ。しかし、近代になると、武器が機械に変貌していくこともよくわかる。

2012/03/21(水)(五十嵐太郎)

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