artscapeレビュー

立野陽子 展─明るさについての記憶

2012年06月01日号

会期:2012/05/01~2012/05/12

ギャラリー16[京都府]

比較的短いタッチの三角形や四角形などが連続する抽象絵画を発表。彼女の作品はこれまでも一定の形態の反復に特徴があったが、ここまでペインタリーな作品はなかったのではないか。灰色がかった青や緑、茶色などで記号的表現が積層しているのだが、その色彩ゆえか、作品を見続けるうちにどことなく風景画に見えるのが不思議だった。また、画面の層構造が窺えるので、画家が作品とどのような対話を繰り返しているのか類推できる点も興味深かった。

2012/05/01(火)(小吹隆文)

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