artscapeレビュー

開館35周年記念シンポジウム「写真の誘惑─視線の行方」/開館35周年記念展「コレクションの誘惑」

2012年06月15日号

国立国際美術館[大阪府]

会期:2012/04/21~2012/06/24、2012/5/13
国立国際美術館のシンポジウム「視線の行方」におけるセッション3「写真と建築」に参加し、近代建築のイメージがどのように写真のなかでつくられたか。あるいはカメラ・オブスキュラとしての建築など、二つのジャンルが出会うケースについての基調報告を行なう。その後、写真家の鈴木理策、建築家のヨコミゾマコトを交え、どこをどのように撮影するかをめぐっての建築家と写真家の駆け引き、CGの技術が発達したことによるデジタル時代の存在しないイメージの突出などが討議された。それにしても、開始前の館外の行列を見ると、写真の企画はとても多くの来場者が関心をもっているテーマであることがよくわかる。セッションの終了後、開館35周年記念展「コレクションの誘惑」を観る。ここのコレクションは、いまや現代美術史の貴重なアーカイブになっている。展示の第二部はシンポジウムと同様、写真の作品を特集したものだった。

2012/05/13(日)(五十嵐太郎)

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