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artscapeレビュー

ザ・タワー──都市と塔のものがたり

2012年07月01日号

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会期:2012/05/23~2012/07/16

大阪歴史博物館[大阪府]

先日、電波塔として世界一の高さを誇る「東京スカイツリー」が開業し注目を集めた。7月には大阪のシンボルタワー「通天閣」が開業100周年を迎えるという。同展は、このふたつのビックイベントにあわせて企画されたもの。エッフェル塔、東京タワー、通天閣など、19~20世紀にパリ、東京、大阪の3都市に建設された、近代を代表する塔が展示の中心となっている。予想通り、会場には塔の模型、設計図、関連資料、絵葉書などの記念品が紹介されていたが、なかでも目を引いたのは、塔を画題にした錦絵と、昭和30、40年代に発行された通天閣の観光葉書や東京タワーの案内パンフレット。時代を感じさせるどこか懐かしいデザインが多いが、高級車の前でポーズをとる若い女性をローアングルで撮った写真を表紙で大きく使用するなど、いま見ても斬新な構図の写真やレイアウトもあって興味深い(極端なローアングルは、東京タワーを写し入れるために必要だったかもしれないが)。また、二科展で入選暦のあるプロの画家が表紙や挿絵を手がけたものもあるようだ。企画者は「塔が街の中に建つことで、人は上から見下ろすという視点を得て、街全体を把握できるようになった。塔は人と街を結びつけるメディアである」という。塔は街の風景や生活を変えるだけでなく、人々の知覚パターンまでも変えてしまうのだ。同展は、塔と街と人との関わりを問いかけるものである。[金相美]

2012/06/07(木)(SYNK)

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