第1回AGAIN-ST展:artscapeレビュー|美術館・アート情報 artscape

2018年08月01日号
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第1回AGAIN-ST展

2012年07月15日号

会期:2012/06/11~2012/06/23

東京造形大学CSギャラリー[東京都]

若手彫刻家による自主企画展。冨井大裕、深井聡一郎、藤原彩人、保井智貴という30代の彫刻家と、愛知県美術館学芸員の石崎尚が結成したAGAIN-STの企画で、上記4人の彫刻家がそれぞれひとりずつ彫刻家を選んで(田中裕之、樋口明宏、中野浩二、植松琢麿)計8人が出品する。「AGAIN-STは彫刻を問う集団である。我々は危機感を共有している。声高に死が叫ばれる絵画よりもなお、黙殺される彫刻は深刻である。(以下略)」との宣言文にあるように、このグループは現在の彫刻に危機感を有し、その可能性を問うている。絵画にもこのようなグループがあっただろうか。かつていくつかあったような気がするが、最近はあまり聞かないなあ。絵画が漫然としているというより、彫刻のほうがより危機感が深いということかもしれない。作品を見ると、いかにも彫刻然とした彫刻は少なく、どっちかといえば彫刻だったり、台座のようなものを出してたりして、けっこうおもしろい。素材だけ見ても、深井と藤原は陶、冨井は水準器やバイス(万力)などの工具、樋口はアンティーク彫刻を使っている。こうした「彫刻とはなにか」を問うような彫刻、いいかえればコンセプチュアルな彫刻の動きは、おそらく20~30年にいちど波のように押し寄せるだろう。夜、出品作家が開いたシンポジウムでは、彫刻と工芸や建築の違いや日本における彫刻教育の特殊性などが話し合われ、興味深いものだった。危機感を抱えるとはいえ、ひと世代前と違ってみんな明るく前向きだ。

2012/06/11(月)(村田真)

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