2018年06月15日号
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artscapeレビュー

第13回ドクメンタ

2012年07月15日号

会期:2012/06/09~2012/09/16

[ドイツ・カッセル]

ドクメンタ13は、大きな庭園、駅舎、ホテル、博物館、旧病院などを活用し、街なか展開が多いだけではなく、なんと国外のカイロやカブールなども会場になっている。会場が想像以上に分散していたために、雨のなか、2日間で全部を見ることはできなかった。しかし、小さな地方都市であるカッセルに、さまざまな場や空間が存在し、また古い建築も残っていることがよくわかった。やはり、歴史を残すことは大事である。新しい使い方を発見できるからだ。例えば、博物館に親和性の高いアートが侵入するケースも、どこからどこまでが常設の展示なのか、一瞬わからなくなる体験をもたらす。公園に点在する作品群に唯一の公式日本人作家の作品がある。大竹伸朗の家はまわりに小舟が散らばり、津波を想起させる。また正式にクレジットされていないが、ポスト災害をテーマにした韓国人の作家チームの展示のなかで、伊東豊雄の南三陸町プロジェクトや津村耕佑のファッションデザインも参加していた。
オープニングのレセプションは、鼓笛隊の演奏によって始まり、来客を庁舎に導入。案内状は出していたが、実質ノーチェックで誰でも入ることができ、夜遅くまで演奏を聴きながら飲み食いできることに驚かされた。小さな地方都市における有名な国際展が、地元の祭りとしても根づいているのだろう。

写真:上=オープニングの風景、中=駅舎会場、下=庭園に設置された大竹伸郎の作品

2012/06/07(木)(五十嵐太郎)

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