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災害に直面した港湾都市の都市計画を考える国際ワークショップ「石巻建築ワークショップ2012」

2012年09月15日号

会期:2012/07/21~2012/08/01

石巻市内[宮城県]

東北大学と学生を交換しているベルギーのブリュッセル自由大学のジョセフ・グルロワが主宰し、東北大学などが参加する、石巻のワークショップの最終日を訪れた。昨年に引き続き二度目である。今回は、港、交通、水、オープンスペースの四つのテーマを軸に、それぞれ多国籍の学生チームが石巻の未来を提案し、ベルギーカフェにて展示を行なう。ワークショップの終了後、屋外で飲んで騒ぎ、最後は小さな復興バーに移動し、また路上に人々があふれていた。しかし、まわりは廃墟で人がいない。ちょうど石巻の祭とのタイミングが合い、災害ユートピアが継続しているような不思議な雰囲気に包まれる。おそらく、海辺と都心が離れた仙台のような大都市とは違い、石巻はほどよくコンパクトで、津波に襲われた場所と中心市街地がほとんど重なっているがために起きた現象だろう。

写真:上から、ワークショップの様子、石巻祭り、仮設店舗、復興バー

2012/07/31(火)~08/01(水)(五十嵐太郎)

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