artscapeレビュー

築山有城 個展「シャイニング・ウィザード」

2012年10月01日号

会期:2012/09/07~2012/10/06

TEZUKAYAMA GALLERY[大阪府]

ギャラリーに入ると、展示室の中央にでんと構える大木の切り株が待ち受けていた。しかし、作品の裏に回ると驚きが。実はこの作品は建築用の角材を円弧の形に繋ぎ合せたもので、表面を元の木そっくりに彫刻して大木らしく見せていたのである。ほかの作品も、人工漆が乾燥する際に収縮する性質を利用して複雑な模様を描き出すなど、素材の材質を生かしたものが多い。作家が脳裏に描いたイメージを具現化するのではなく、素材の性質を利用して造形をつくり出すのが、築山有城という作家の興味深い特質である。

2012/09/07(金)(小吹隆文)

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