2018年10月15日号
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artscapeレビュー

宮永愛子「なかそら」

2012年11月15日号

会期:2012/10/13~2012/12/24

国立国際美術館[大阪府]

国立国際美術館で宮永愛子の個展がはじまった。4つのセクションで構成された会場に、新作と近年発表された計6点の作品が展示されている。時計、食器など、身近にあるさまざまな生活道具をナフタリンでかたどった作品が、透明のアクリルケースにずらりと並ぶスペースにはじまる今展は、真っ暗ななかに蝶やハシゴをモチーフにした作品が並び幻想的な白い光に照らし出されている空間、何万枚ものキンモクセイの葉の葉脈だけを残し、つなげて巨大なシート状の一枚に仕立てたオブジェが天井から床へと広がるインスタレーションと続く。どの展示空間も美しく、繊細な印象の作品も多いが、それらは脆く儚げなイメージだけでなく、力強い逞しさを感じさせるのも素敵だ。移ろう世界のあらゆるものごとのただなかには自分の存在もあることをぼんやりと思いながら見てまわった。会期は長い。できるなら何度でも足を運びたい展覧会。

2012/10/14(日)(酒井千穂)

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