2018年06月15日号
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artscapeレビュー

ザハ・ハディド《国立21世紀美術館(MAXXI)》

2012年11月15日号

[イタリア・ローマ]

ザハ・ハディド設計の《国立21世紀美術館》を訪れた。うねるチューブが続くような展示室は、ホキ美術館的だが、スケールが全然違う。ザハの建築は、スロープや階段など、ダイナミックな上下移動の空間が多いが、全体の展示室がさらにデカイために、それを無駄なものだと感じさせない。小さい建物であれば、非難が集中しただろう。面白い建築だ。これまでに見たザハ物件は◎が3つ、×が2つで、当たり外れの振幅が大きいのも興味深い。
国立21世紀美術館では、ちょうど「ル・コルビュジエとイタリア」展を開催中だった。彼が若い頃、旅行で訪れ学んだこと(当時、ジョン・ラスキンの影響を受け、彼が装飾まで精緻に描いた建築画の美しいこと!)。1930年代にファシスト党に接近し、仕事を得ようとしたこと。そして戦後のオリヴェッティの工場とヴェネチアの病院計画までを網羅的に紹介している。が、いずれも実現していない。ほかに1階奥で小さなスカルパ展と、2階で建築模型の展覧会も開催していた。20世紀の建築家の模型をずらりと並べている(日本人は伊東豊雄さんのみ)。やはりイタリアの建築家のものが多いが、理念的だが独特の実在感があって、カッコいい。逆に、こういう感じは日本の建築模型にはあまりない。
この付近では、レンゾ・ピアノによる音楽ホール、ピエル・ネルヴィのスポーツ施設、ルイジ・モレッティによる長いオリンピック村の建築、そして新しい橋も訪れた。大学院の頃、このエリアを一度訪れていたが、文化系の施設が増えている。

写真:左上・左中=ザハ・ハディド《国立21世紀美術館(MAXXI)》、左下=レンゾ・ピアノ《音楽ホール》、右上=ピエール・ ルイジ・ネルヴィ《スポーツパレス》、右中=エンリコ=デッビオ+ルイジ=モレッティ《Foro Italico》、右下=Buro Happold《Ponte della Musica》

2012/10/23(木)(五十嵐太郎)

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