artscapeレビュー

Design Work Shop -ATATAKA- #4

2013年01月15日号

会期:2012/12/16

音(won)元町店 3Fギャラリー[兵庫県]

アパレル、ジュエリー、グラフィックデザインなど、普段はそれぞれの分野でプロとして活動している人たちがチームを結成し、継続して開催しているワークショップイベントがあると友人のアーティストから聞き連れて行ってもらった。会場は神戸、子供服の店舗の入ったビルの3階の空間。今回は4回目の開催で、この日はレザーや真鍮を加工し小物を制作するものや、ソックスにステンシルや割り箸などで柄や絵を描くワークショップなどがそれぞれ設置されたブースで行なわれていた。大人、子どもを問わず参加可能であったこれらの制作、参加費はどれも実費のみ。表現することと普段の生活の緊密な関係をデザインという切り口から提案したいというこの企画。運営しているメインスタッフはみな神戸芸術工科大学を卒業した仲間で、非営利の事業として続けているのだという。はじめは来場者もまばらだったが午後を過ぎると会場は小さな子どもと両親という家族連れで見る見るうちにいっぱいになり、一気に賑やかになった。参加者同士の和気あいあいとした楽し気な雰囲気を見るからに、ほとんどはリピーターなのだろうが、ここが求められている「場」であることがうかがえて興味深く思った。「豊かさ」の意味や、地域や世代を超えた人との関係について、考えたり友人と話したりする機会がよくあるこの頃。このワークショップには、ものづくりの楽しさや面白さというだけでない生き方の提案やヒントがいくつも潜んでいる気がした。今後の活動も楽しみ。


ワークショップ会場風景

2012/12/16(日)(酒井千穂)

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