artscapeレビュー

草津ダンス街道(2月24日:「町家でダンスをみる会」「ふしぎな衣装づくりワークショップ」)

2013年03月15日号

会期:2013/02/24

マンポのとなり[滋賀県]

草津市のまちなかを舞台に50日間にわたって実施されたダンスイベント「草津ダンス街道」。1月下旬から3月9日のグランドフィナーレの公演まで、さまざまなダンスワークショッププログラムが開催されていた。市民とアーティストが協働してダンス作品を創り、発表するというこのプロジェクトは、ダンスをコミュニケーションツールに町を活性化しようと活動している市民グループ「草津ダンス道場」が行なっていたもので、総括はコンテンポラリー・ダンサーで振付家の“しげやん”こと北村成美さん。期間中は「肩こり腰痛エレガンス」「おなかひきしめウォーキング」「オヤジ倶楽部」「街道たんけん隊」など、ネーミングを口にするだけでも親しみを覚えるような数々のワークショップが行なわれていた。この日は「町家でダンスを見る会」という観覧プログラムがあり、午前中には美術家の井上信太さんによる「ふしぎな衣装づくり」ワークショップが行なわれるというので見に行った。会場は旧東海道沿いにある古民家の建物を用いたコミュニティスペース「マンポのとなり」。人数はそれほど多くはないが、ワークショップの開始時刻前に一斉に参加者が集まってきていたのにも、縫製作業など、自分の時間を割いて手伝いにきていた人たちがいたのにも少し吃驚した。和気あいあいと進む制作作業もその後に開催された舞台衣装のファッションショーも羨ましくなるほど楽し気。ダンス鑑賞会では、“しげやん”のほか小学5年生の男の子も即興のダンスライブを披露していた。とても寒い日だったが非常にエキサイティングであたたかな気分にもなったイベント。3月9日のグランドフィナーレ発表公演が観れず残念。


「ふしぎな衣装づくりワークショップ」の会場風景


左=「ふしぎな衣装」によるファッションショーの様子
右=しげやん(北村成美)と参加者のダンスセッション

2013/02/24(日)(酒井千穂)

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