artscapeレビュー

オカザえもん

2013年05月15日号

新聞社からオカザえもんのコメントを依頼される。ゆるキャラは「デザイン」だが、オカザえもんは「アート」だ。デザインは一定の技術で、親しみやすく、わかりやすく、かわいいことを狙うが、アートは機能を満たすものではない。また、そもそもゆるキャラとは何か。人を立ち止まらせ、考えさせる。あるいは、不安にさせるのは、デザインではなく、アートだからであろう(実際、オカザえもんを見て泣き出す子どももいるという)。なお、これを生みだした斉と公平太は、アーツチャレンジ第二回の公募で、僕が審査員だったとき強力に推したアーティストである。二度目の挑戦で「愛知」にひっかけて、LOVEちくんを出し、「二回目のイベントでないとできないものがある。再チャレンジだ」の書き出しで講評を書いた。それゆえ、後のあいちトリエンナーレ2010の参加やオカザえもんのブレイクは嬉しい。ちなみに、斉と公平太さんが前回のあいちトリエンナーレ2010でつくったキャラ、長者町くんの漫画は、以下のFacebookから読むことができる(Amazonで漫画を購入することも可能)。
http://www.facebook.com/chojamachikun

2013/04/17(水)(五十嵐太郎)

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