artscapeレビュー

プレビュー:鳳が翔く:デザインが導く未来──榮久庵憲司とGKの世界

2013年07月01日号

会期:2013/07/06~2013/09/01

世田谷美術館[東京都]

デザインに関心のない人であれば、榮久庵憲司という名前もGKという会社のことも知らないだろう。しかし、おそらく日本で彼等が生み出したプロダクトに一度も触れたことがない人は皆無に違いない。榮久庵憲司は、東京藝術大学工芸科助教授の小池岩太郎のもとで学んだ仲間とともに、GK(Group of Koike)を結成し、以来60年にわたって日用品からバイク、自動車、鉄道などさまざまな分野の工業デザインを手がけてきた。私たちの生活に身近なプロダクトとしては、キッコーマンの卓上醤油瓶があげられよう。世田谷美術館で開催される展覧会では、これまでに榮久庵憲司とGKグループが手がけてきたプロダクトが紹介されるほか、博覧会や博物館で用いられる情報装置やそのコンテンツ、榮久庵が長年提唱してきた「道具の思想」に基づくインスタレーションが展開されるという。「暮らしと美術と高島屋」展に続いて、生活のなかの美とデザインの世界を美術館という場がどのように見せるか、楽しみである。[新川徳彦]

2013/06/27(木)(SYNK)

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